フィリピンPPPセンター幹部の訪日研修を実施しました
2023年にMoUを締結したフィリピンPPPセンターの幹部4名をお招きして、鉄道分野のカーボンニュートラル技術を主なテーマとした研修を企画・実施しました。
フィリピンではマニラ首都圏を中心に鉄道路線の整備拡張が進められています。そうしたプロジェクトを支援するとともに、カーボンニュートラルに資する最先端の技術を学んでもらうことを目的として6月16日から20日まで5日間の研修を企画しました。PPPセンターからはエグゼクティブ・ディレクターのエルナンデス氏をはじめとする4名の幹部の方々が来日しました。
<第1日:6月16日>
午後の便で来日した4名の幹部を対象に開講式を実施しました。5日間のプログラムを説明し、行程の確認を行いました。夜は歓迎の会食でした。
<第2日:6月17日>
最初のプログラムは運輸総合研究所の訪問でした。日本の鉄道分野における水素利用等について講義を受け、プロジェクト開発・モニタリング施設サービスを通じた機会について議論を行いました。運輸分野に特化した研究所はフィリピンには存在しないとのことで、研究成果の共有や今後の連携について話し合われました。
午後は日立製作所を訪問し、デジタル鉄道ソリューションについて説明を受けました。また、鉄道開発計画とPPPプロジェクトのパイプライン等について議論を行いました。
夕刻にはフィリピン大使館へ。ミレーン・ガルシア=アルバノ駐日フィリピン大使を表敬訪問しました。
<第3日:6月18日>
3日目は多摩地区にある鉄道技術総合研究所へ。初代新幹線ひかり号が生まれた場所です。鉄道車両における脱炭素技術等について講義を受け、最新の水素車両を見学。フィリピン鉄道開発計画とPPPプロジェクトのパイプライン等について議論を行いました。
午後は都心部に戻り、今年3月に街びらきを行った高輪ゲートウェイ駅を視察。開発プロジェクトについて受講した後、駅施設及び地下のバイオガス設備を見学しました。
<第4日:6月19日>
4日目は国土交通省を訪問。田中国際統括官と面会した後、鉄道局国際課長から日本における鉄道分野のGX政策等について受講しました。また、海外プロジェクト推進課の方々も加わって、フィリピンにおけるPPPの政策・制度的枠組み等について議論しました。
午後は国際協力機構を訪問。JICAによる鉄道セクター支援について等について受講し、鉄道PPPプロジェクト管理のための制度的能力強化等について意見交換を行いました。
<第5日:6月20日>
最終日の朝、最後のプログラムではOPPSメンバーとの交流の場を設けました。JOINの海外におけるTOD(鉄道・都市開発分野)の取組みについて受講し、PPP案件の政策・制度の枠組みとパイプライン*等について議論しました。
午後の航空便で羽田からマニラに帰国したフィリピンPPPセンターの皆さんは、1週間の密度の濃い研修に満足して頂けたようです。PPPセンターとの更なる連携強化を通じてPPP鉄道分野に限らず案件情報を共有し、案件形成に繋げたいと考えます。また、今回の経験を活かして他の海外提携機構との研修事業も展開していきたいと思います。
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