代表挨拶
代表理事:山内 弘隆
経済の構造変化が進む中、インフラストラクチャーの整備において民間の役割が大きくなっています。わが国でも、1999年にPFI法が成立し、2017年度末で666件、金額にして5兆8279億円のPFI事業が運営されています。さらに近年ではコンセッション事業として、必ずしも大規模な施設整備をともなわずに、公的な施設を用いて事業運営をするなど、PPPすなわち官民連携の手法も多様化しています。
近年、日本政府はインフラ分野の海外展開に重点を置くようになりました。言うまでもなく、国際的なマーケットに目を向けることによって、日本経済全体の活性化につながるからです。ただ、日本企業もPFI法成立以前から海外のインフラ案件に携わってきましたが、国際展開力の強い欧州企業ローコストの中国韓国の企業の台頭が顕著になり、苦戦を強いられています。JICAの支援を受けたフィージビリティスタディは展開されても、それが案件の獲得に至らないのが実情であると思います。
われわれは、このような実態を踏まえて、発想の転換を提案します。それは、国内で定着し始めたPFIやコンセッション方式を海外インフラ事業の展開にも応用する、そのための官民連携プラットフォームを組成することです。それによって個々の企業のアプローチではなく、行政の支援を得た新しい事業の展開が実現します。そしてわれわれは、そのハブとしての役割を担うものと考えます。
近年、海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律(平成30年8月31日施行)もあり、JBICやJICAが海外インフラ展開でのPFIを積極的に支援できる環境が整ってきました。このような時代の流れもありJBICやJICA等の行政機関と民間企業をつなぐ海外インフラ事業コンソーシアムを組成し、インフラ事業の実績を作ることがOPPSに期待された役割であると理解しております。
OPPSの役割は以下のようにまとめることができます。
- 優良案件の情報共有を通じ、事業化に適切な案件抽出が可能なスクリーニングを提供する。また、行政機関と会員が情報共有できるシステムを構築する。
- 官民プラットフォームの確立とリスクアロケーションの明確化を図る。
- 相手国政府との交渉におけるサポートを提供する。
- PPP案件にかかる人材育成、啓蒙活動を行う。
OPPSはPPP案件の事業化をトータルでとらえ、民間事業者と独立行政法人・行政機関が連携し、海外でのインフラ事業の案件推進がすすむよう努力してまいります。私自身、具体的な案件の実績を作り上げるため代表理事として最大限努力をする所存でおります。当団体への皆様のご協力ご支援をいただければ幸いです。何卒よろしくお願いいたします。